筋膜リリース

筋膜リリースとは、全身を覆う筋膜に圧力をかけ押し伸ばすことで、癒着した筋膜を剥がしこりや不調を解消するというメソッドです。それにより神経や血管組織への負荷や、筋肉によって起きた骨格の変位を正しい位置に戻します。

リリースの手法は、

• 筋膜に圧力をかけ押し伸ばすことでストレッチさせる
• 神経伝達物質に働きかけて自発的開放を促す

一般的なボディケアやリンパドレナージュとの違いは、比較的強い力で「もむ、こねる、押す、たたく、さする、揺さぶる、流す」といった強制的に筋肉を緩めるといったものとは根本的に違い、筋膜リリースの手技は「神経伝達組織に働きかけて自発的開放を促すテクニック」です。段階的に穏やかに加圧力やストレッチを増していき、筋膜組織が自立開放するように仕向けます。

毎日長時間イスに座る姿勢が続くなど、筋肉の一部に負担が集中すると、筋膜が癒着してしまいます。その状態が継続すると、やがてこりになり、痛みの原因になると考えられています。筋膜リリースは、癒着した筋膜をリリース（解放）することによって、筋膜に滑走性を取り戻させるので、筋肉がスムーズに動くようになり、こりが解消されやすくなります。

筋膜は全身に張り巡らされています。例えば、腰痛持ちで便秘の人が、腰痛の治療をすると、同時に便秘も解消することがあります。これは胃や肝臓などを覆っている腹膜と、腰の筋膜がつながっているために起こるのです。
腰の筋膜の癒着を剥がす過程で、腹膜の癒着も剥がれ、腸の蠕動運動がスムーズになり、便秘が解消されるなど内臓機能が向上すると考えられます。

筋膜リリースによってこりが解消されると、これまでにこりで圧迫されていた血管やリンパ節が圧迫から解放され、体内の血液やリンパの巡りが良くなります。血の巡りが良くなると、冷えの改善にもつながります。

こりによる痛みは、たとえ小さなものでも毎日続けば、身体にとっては非常に大きなストレスです。ストレスは自律神経の乱れにつながるので、筋膜リリースを行うと、こりが解消し、自律神経のバランスも整いやすくなります。

人の身体には、消化や吸収、体内エネルギーを作り出す代謝の機能を正常な状態に保とうとする「恒常性」という働きがあります。
自律神経が乱れると、この「恒常性」が正常に機能しなくなり、代謝の働きが悪くなってしまいます。筋膜リリースで自律神経が整うと、エネルギー代謝も正常に機能します。

こりは、時にひどい頭痛を伴うことがございます。原因は人によって様々ですが、主に、後頭部の下部にある頭板状筋（とうばんじょうきん）のこりや、首筋の斜角筋、こめかみの側頭筋のこりによって頭痛が引き起こされます。筋膜リリースによってこれらの筋膜の癒着を剥がし、頭痛を解消しやすくします。

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